花山天文台創立90周年及び花山宇宙文化財団設立記念式典・講演会が2019年6月2日(日)15時に京都大学吉田キャンパス国際科学イノベーション棟5階シンポジウムホールにて開催されました。
浅井歩准教授(京都大学理学研究科附属天文台)の司会進行により、はじめに一本潔天文台台長(京都大学理学研究科附属天文台)から挨拶がありました。
続いて、山極壽一 京都大学総長、平島崇男 京都大学理学研究科長、山下晃正 京都府副知事、村上圭子 京都市副市長、渡部潤一 国立天文台副台長より祝辞を頂戴しました。
子どもが興味をもつ人気の第1位は化石、第2位は星や宇宙だそうです。その両方に関わっていると、地質学鉱物学教室の教授である平島京都大学理学研究科長が強調すると、会場から笑みがこぼれました。
講演会では、元天文台長の柴田一成教授(京都大学理学研究科附属天文台)が「花山天文台の歴史と将来」と題し登壇しました。
前史として、1907年に京大において新城新蔵(しんじょう しんぞう)博士が当時では新しい宇宙物理学を中心とする物理学第4講座を開設しました。1910年の京大天文台設立を経て、1920年に宇宙物理学教室として独立し、1929年に花山天文台が完成したと柴田教授は説明しました。同年、新城博士は第8代京都大学総長に就任しました。
また、花山天文台が1960年頃のマンガに描かれたとのことで、その当時から花山天文台が市民の間で良く知られていたことが伺えます。
90年前の望遠鏡を、いまだ観測で使うことができるという花山天文台。その歴史から将来構想まで、創立90周年に至る道のりと次の100周年に向けた具体的なヴィジョンが語られました。
次の講演では、尾池和夫 元京都大学総長、京都造形芸術大学学長、花山宇宙文化財団理事長が「花山天文台と京都盆地の自然」というタイトルで講演しました。さらには、花山天文台を支援するために花山宇宙文化財団を設立された株式会社タダノの多田野宏一社長にご講演いただきました。
盛況のうちに講演会を終えることができました。
https://www.kwasan.kyoto-u.ac.jp/
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